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2025.01.21

【高2】600秒の魔法

『ハワイの空』

 

 

大空を舞う“ピーターパン”の原作として知られる、

戯曲『ピーター・パン 大人になりたがらない少年』を書いたJ.M. Barrieは、

 

“You must have been warned against letting the golden hours slip by;

but some of them are golden only because we let them slip by.”

(珠玉の時間を無為に過ごさないようにと注意を受けたことがあるだろう。

しかし、そうした時間のいくつかは、無為に過ごしたからこそ珠玉なのだ。)

 

と語っています。

 

 

「記憶」と「時間」は私たちが向き合い、抱く、

人生における大きなテーマの1つだと思います。

 

高校生にとって、

限りなく普通で、

でも、あまりにも貴重なひとときがあります。

 

 

「休み時間」――。

 

 

不思議なもので、

たかだか10分という時間は、

高校生にとってとびきり価値のある600秒に姿をかえます。

 

 

友達と他愛もない話をして笑い合ったり、

 

ふと窓の外を眺めてぼんやり過ごしたり、

 

ちょっとひと眠りとやわらかめのペンケースを器用に枕にして寝てみたり、

 

次の授業内で受ける小テストに向けて、
最後の追い込み(時には最初で最後の追い込み)をしたり。

 

 

でも、その何気ない10分間が、後になってかけがえのない思い出になることを、

「現役高校生」の皆さんはどれぐらい気がついているのだろうと、

よく考えています。

 

青春の輝きは、特別なイベントや成果だけに宿るのではなく、

日常の中にこそ隠れているものです。

 

そして、それに気がつくのはいつも後になってから。

だからこそ、今目の前にある10分という短い時間を、

「ただの暇つぶし」と思わず、大切にしてほしいな、と思いつつ、

 

 

J.M. Barrieには

「無為に過ごしたから珠玉なんだよ。」

とたしなめられそうで。

 

 

この矛盾に、歯がゆい思いを勝手にしている、

冬の一日でした。

 

中学生、高校生の皆さん、風邪ひかないようにね。

 

(高2担任:今井友也)